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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

ミスボド行ってきました(2013年6月8日開催)〜駿河の開拓者編

 
(この記事は「ミスボド行ってきました(2013年6月8日開催)〜駿河の新月編」の続きです)
 
チケットトゥライド、タイムパーレーツと、立て続けにアラン・ムーンのゲームで遊んだわたしは、その後しばらくボードゲーム置き場の前でまったりしていました。

ちょっと疲れたし、次は軽めのゲームにでも参加させてもらおうかなあ。
お茶をgkgkしながらそんなことを考えていると、会場を歩き回っていたTetsuoが戻ってきました。

「天さんがアグリコラの初心者卓を立ててくれるみたいですけど、どうします?」

おー、農業か。良いね。かるーくスローライフを満喫しますか。
って軽くない! ちっとも軽くないよ!
まさかの超重量級タイトルにひるむわたし。
しかし耳元で何者かがささやきます。

「……きこえますか……きこえますか……mikio……あなたの家で積みゲーになっているアグリコラです……あなたの……心に……直接呼びかけています……初心者卓に参加するのです……そして、インストのやり方を学んで帰るのです……」



すいません。


Tetsuoとファミリーゲームをやって以降、ずっとしまいっぱなしでしたね(遠い目)。
決してつまらなかったわけではないんですが、何しろルール(というかルールブック)が難解で、ラウンド終了ごとの手続きも煩雑、選択肢が多い故の見通しの悪さもあって、「わたしには早すぎたゲーム」として長らく封印されてきたのです。

しかし、ミスボドでインストに慣れた方と一緒に遊べば、駿河国でも農業に従事することができるのではないか!
そう考え、わたしはTetsuoとともにアグリコラ初心者卓に参加することにしました!

 
何はともあれ天さんのインストを傾聴。
メインボードでのアクションのこと、ラウンド終了時の処理のこと、シーズン終了時の処理のこと……ひとつひとつ丁寧に説明していただきました。



いんすとなう


ゲームの流れについての話が一段落すると、今度は初心者がイメージしにくいこのゲームの見通しについての話が始まります。
「まず、家を増築して家族を増やすということを考えましょう。家を増築するには木5つと葦2つが必要です。家族を増やすカードはステージ2で出ます」
「食料の供給を忘れないでください。勝利点は多くても60点ぐらいなので、物乞いカードの失点は痛手になります」
「職業カードや小さな進歩カードはプレイの手助けになりますので積極的に活用してください」
「得点はリファレンスカードを参照してください。基本的にはバランスよく拡大していくのが良いかと思います」

インストでゲームの戦略についてどこまで話すかというのは難しい問題ですが、アグリコラの場合はこうやってある程度指針を打ち出してくれるとすごくやりやすい感じがしました。これはわたしがおうちゲーム会するときにも参考にしよう……

最後に全プレイヤーに10枚、職業カードと小さな進歩カードを配り、3枚ずつ返却してゲーム開始。早速、スタートプレイヤーの方が、石葦レンガを取ります。

「このアクション人気なんですよ」
「なんかお得感ありますよねえ」

続いてわたし。メインボードを眺めてしばらく悩む。うーん。

「初手から職業取るのってありなんですか?」
「ありですよ。よく見ます」
「なら、とりあえず職業取って……曲芸師を出します!」

曲芸師は一定の条件を満たすことで、ラウンド終了時に小麦をとるなどのアクションを行えるカード。
以前のゲームで小麦を取るアクションでかなりもたつく印象を持っていたので、これを使って少しでもスピードを速めるというのが狙いでした。

一方のTetsuoはなんかやたら木を集めています。増築、厩、進歩と、序盤は木を必要とするアクションが多いため、どうしても取り合いになりますよね。

そんなこんなでしばらく遊んでいるうちに、あれ? と思うことが。
「前にファミリゲームで遊んだ時はもっとカツカツなゲームだった気がする」
「確かにきつかった」

前述の職業カードと、それに小さな進歩カードはファミリーゲームにはない要素です。大量のカードを手札として持つため、一見複雑そうに見えますが、これらのカードのおかげで手がどんどん進みます。

「ある意味ファミリーゲームの方がつらいっていう意見もあるくらいですからねー」

確かに! 次どの職業だそうか考えてるだけでもニヤニヤできる! わたしきもい!

しかしそのカード類が畑作に寄っていたのでしょうか。
終盤はわたしとTetsuo、それにもう一方が種もみや、畑を耕すアクションの取り合う展開に。
ええい、わたしはレンガ暖炉をもっているんだ。パンを、パンを焼かせてくれー!



結局畑を思うように増やせず、こんな感じでゲーム終了。
−6点は痛いなあ。レンガも無駄にいっぱいあるし。



こちらはTetsuoの農場。空地は少ないが家族も家畜も少なく、これはこれで寂しい。
「畑作の手順がちょっと難しかった」



トップの方の農場。失点0の美しい農場。

今回のプレイでわかりました。
通常ルールで遊んでこそのアグリコラである、と。

通常ルールでも全ラウンドを通じてひもじいことには変わりないのですが、職業と小さな進歩のおかげで前向きに遊ぶことができます。
もちろん、職業と小さな進歩はいずれも生活を劇的に変えるものではありませんが、生活に一筋の光明を与え、未来への道筋を示してくれるのです。

「あなた、まだ寝ないんですか?」
「もうちょっとだ……よし、回転鋤の完成だ!」
「疲れたんじゃありませんか? ほら、あなたもこちらに」
「ああ、今行く」
(小さな進歩/そしてまた、家族を増やす)

わたしの卑猥な妄想はさておくとしても、雰囲気も含めて楽しむことができるゲームなことは間違いないかな、と。
五人で遊んで3時間半かかりましたけど、なるほど。傑作でした。
今度は駿河の地でアグリコろうと思います!