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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

ミスボド行ってきました(2013年2月23日開催)

ボードゲーム「ミスボド」〜11人いる! に参加してきました。
以下、遊んだゲームを紹介(長文注意)。


フォレショレ

最初に遊んだのはワレスのカードゲーム。


(写真はドイツAmazonより引用)

見ての通り味わい系のアートワークですが、温暖化により海面が上昇した地球で、できるだけ多くのペンギンを救おうというなかなかハードな設定。

ゲームの内容はと言うと、マストフォローの競り。
まず、スタートプレイヤーがカードを出す。同色だったら何枚でもOK。
続いて、次のプレイヤーがパスするか、より多くの数字を積み上げるかを選択します。
これを繰り返して競りの勝者が流氷カードを受け取ります。負けたプレイヤーは、自分が出したペンギンカードを引き取ります(※追記:これは間違い。負けたプレイヤーはペンギンカードを引き取るか、捨てるかのどちらかを選ぶというのが正式ルールのようです。さたもとさん、情報ありがとうございました)

ユニークなのは点数計算。ペンギンカードの数字が得点になるのだけれど、流氷カードの合計値を上回った分は失点になってしまう!
流氷の上に乗ることができたペンギンが点数に、乗れずに溺死してしまったペンギンが失点になるということですね。地球温暖化恐るべし。
競りに勝つだけでは肝心のペンギンが取れないし、勝ち負けのバランスが大事なのです。

プレイした感じでは、競りで大敗した(大量のペンギンを抱え込んだ)プレイヤーがなかなか挽回しにくいような気もしましたが、さっくり遊べる点は○。
気軽に「ぎゃー!」「ぐえー!」「ペンギンもういらねー!」と絶叫できる良い競りゲーだと思います(※追記:正式ルールではまたちょっと違うプレイ感になりそうですね)


・見滝原を覆う影

作者のれらしうさん自らインストをしていただき、5人でプレイ。

アニメ『魔法少女マドカ☆マギカ』を題材にした協力ゲームで、原作のシミュレーションとしてよくできています。
プレイヤー同士協力しながら魔女や使い魔を倒していくゲームなのですが、毎ターンイベントカードを引かなければなりません。
このイベントカードがくせ者で、書いてある内容のほとんど全てがバッドイベント。なので、どんどんろくでもないことが累積していきます。
主に、さやかちゃんの背中に

とは言えわたし含め経験者がいたこともあり、プレイヤー全員が割と早い段階でこれはさやかちゃんを守るゲームなのだと察したため、割と危なげなく困難を乗り切ってワルプルギスの夜を撃破。『さやかちゃん初手で魔法少女化』だけはどうにもなりませんでしたが、まぁまぁ良い結末だったのではないでしょうか。



余談ですが先日書いた『暁美ほむらの憶測』には、ゲーム中の雑談から着想を得た部分もあります。


トーレス

続いてれらしうさんのリクエストにより、れらしうさん、松田さん、Tetsuo、わたしの4人でトーレスをプレイ

先の戦争にて敵の魔術師により解き放たれた幾つもの荒れ狂う竜巻によって、王の城は全て廃墟と化しました。今残っているのは、かつては偉大なモニュメントだった基礎の部分だけです(中略)年老いた王は、息子たちの中から世継ぎを選ばねばなりません。王は城の再建を課し、最も高く大きな城の再建を行った者に玉座を譲ることを約束します。(日本語版ルールより引用)

プレイヤーは毎ラウンドアクションポイントを5つもらい、順番に城の建設や騎士の移動といったアクションを行います。
1フェーズ(=3〜4ラウンド)が終わったら、点数計算。これを3回繰り返して合計点を競います。
勝利点の計算式は『城の面積×騎士がいる場所の高さ』のため、広さだけでなく高さも重要。



“塔”をめぐる立体的な陣取りというわけですね。

ちなみに計8つあるお城は誰かのものというわけではないため、後からでも騎士コマを配置することができれば得点計算の対象になります。冷静に考えると『最も高く大きな城の再建を行った者に玉座を譲る』と言うより『最も高く大きな城の再建を行ったと主張する者玉座を譲る』ことになりそうな気がしますが、平和主義者の王様的には本当にこのルールで跡継ぎを決めて良いんでしょうか。



「おい! これは俺のタワーだ!」(画像は日本語ルールより引用)

序盤はわたしとれらしうさんが熾烈な縄張り争いを繰り広げる中、松田さんがフリーになるかと思われましたが意外と伸び悩みました。
中盤はれらしうさんが中央にエリアを伸ばした塔(通称:風雲れらしう城)に他プレイヤーの騎士たちが群がっていく展開。
特にTetsuoが移動系のアクションカードを利用して、風雲れらしう城の二の丸(?)に滑り込んだのはファインプレーと言えるでしょう。



(写真の右から中央に延びているのが風雲れらしう城。王の近くの青いコマがTetsuoの騎士)


終盤はわたしがこそこそと拡張していた塔を、れらしうさんがうまいこと騎士で塞いだため、十分な点数を確保できず、逆転失敗。れらしうさんが勝者となりました。

歴戦の松田さんがスタートプレイヤーで苦しんでいたことを鑑みると、各所で言われている通り先手番が不利なゲームなのかも知れません(点数計算フェーズごとに手番順を入れ替えた方が良いという意見もあるようです)。

でもまぁ、とりあえず細けぇことは良いんです。重要なのはどんどん上に伸びていく塔を見て心がときめくか、ときめかないか。もちろんわたしはときめく。おススメです!



・エアラインズヨーロッパ

傑作と名高いユニオンパシフィックのリメイク。正確には傑作と名高いユニオンパシフィックのリメイク元であるエアラインのリメイクああもうややこしい。でもまぁ、とりあえず細けぇことは良いんです(二回目)。



見てくださいこの美しい地図!



見てくださいこのかわいらしいコンポーネント



見てくださいこの魅力的なヒロイン!(注:ゲームにはまったく登場しません)

この箱絵じゃなければもっと売れたんじゃ

気を取り直してゲームの内容をば。
プレイヤーは投資家として手札(株式)を公開していき、また、各航空会社の空路を拡張することで会社を高めていき、不定期に訪れる決算フェーズで株のシェアと会社の価値に応じた勝利点を獲得します。3回目の決算が終了した時点でもっとも多くの勝利点を持っている人が勝者となります。エリアマジョリティならぬ株マジョリティといったところでしょうか。いつ株を公開するか。どの会社を大きくするか。心理的な駆け引きが熱い経済ゲームです。

松田さん、がとぅさん、Tetsuo、わたしの4人でプレイ。

序盤から緑と黒が伸びるなか、手札の偏りが少ないわたしは手広く株を公開する方針を採ります。苦肉の策だったのですが、意外と点数を稼げました。これを警戒したがとぅさんは、松田さんやTestuoと連携できる航空会社を伸ばしつつ、わたしの空路拡張を阻止する作戦にでます。松田さんもそれに協力しますが、公開株式の種類を増やすことも忘れません(名付けて『年金作戦』)。Testuoは公開株式の種類こそ少ないものの、大量得点が期待できるアバクス株の取得に注力します。

四者四様のプレイスタイルでしたが、終わってみれば全プレイヤーが67点〜70点という僅差のゲームでした。実際、決算のタイミングによっては誰が勝ってもおかしくない状況だったと思います。



経営系のゲームでありながら、シンプルで遊びやすく、最後まで諦めずに遊ぶことができるという、いかにもアラン・ムーンらしい内容となっています。重量級ゲームへの扉を開けようか開けまいか迷っている方は、是非遊んでみてくだい。是非遊んでください。


・電力会社 最初の火花

ねんがんのさいしょのひばなであそんだぞ!
>まんもすをころしてにくをうばいとる

プレイヤーは原始人となって、以下のサイクルを繰り返します。
・技術・知識の獲得
・食料が腐る
・食料の確保
・食料の消費
・氏族の拡大

誰かが氏族を13まで増やしたら終了フラグ。そのラウンド終了時にもっとも氏族が多いプレイヤーが勝者となります。

元になった電力会社は傑作と名高いゲームですが、初見では発電所の相場がわかりにくく、面白いけど難しいという印象が拭えずにいました。それが最初の火花では、競りの要素が極限までシンプル化されているという話を聞いて、一度遊んでみたいな思っていましたが、なるほど。競りだけでなく、あの完成度の高いシステムをよくここまでばっさり簡略化したな、と正直驚きました。

ただ、手順が技巧的で直観的でないのと、細かい計算で苦労するので、とっつきやすいという感じはしませんでした。また、シンプルになった分、上手いプレイヤー同士なら終盤の展開は詰将棋みたいになるんじゃないかなと思ったり。繰り返し遊びたいゲームですね。



バスの時刻が近づいていたため、終盤はとかく時計を気にしながらのプレイでご迷惑をおかけしましたが、また是非遊んでください>他氏族のみなさん


以上、今回は遊んだゲームの数量こそ少なかったものの、どれも濃厚な内容で知恵熱でまくりでした。
次回はウィーウィルロックユーにも参加するよ! 荒ぶる持ち主のポーズ!(失敗カードを受け取りながら)

ミスボド主催者のみなさん、参加者のみなさん、今後ともよろしくお願いします。