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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

スモールワールド〜ヒューマンは衰退しました

今回とりあげるのはDays of Wonder社から出ている「スモールワールド」というボードゲーム



基本は陣取り。当世風の特殊能力要素はあれど、ルール自体はシンプルだ。
プレイヤーは最初に種族(+スキル)を選ぶ。
空を飛ぶエルフだとか沼のスケルトンとか。
種族選択にもものすごくまったりとしたゲームシステムがあるけれど、詳しい内容は省略。



種族が決まったら、規定の枚数トークンを受け取ってすぐに侵略。
基本的に「勝てる領土にしか侵略できない」ので、侵略の処理はごくごく簡単だ。
侵略が終わったら、トークンの再配置。
敵に攻められそうな所の守りを固めることができる。
最後に、支配したエリアの数に応じて、勝利点を受け取る。


ここまではまぁまぁよくある感じだが、「栄枯盛衰」の概念が入ってきて、他に類をみないゲームになる。


種族トークンの上限が設定されていること、領土を失陥したら1枚トークンを返さないといけないことから、必ず種族として行き詰るときがくる。
そんなとき、プレイヤーは陣取りを行う代わりにこう宣言するのだ。


「○○は衰退しました」


するとその種族のトークンは全て裏返しになる。
2つ以上置いてある場合は、1つを残して全てボックスに戻す。
もはや侵略することはできず他の種族に蹂躙されるのみとなるのだ。
とは言え滅亡するまでは領土ボーナスをもらえるし、何より新たな種族で再スタートできるのが大きい。まさに栄枯盛衰である。


実際のところこのゲーム、陣取り部分はシンプルすぎる。方針さえ決まればあとはほとんど悩みどころなくコマを置くことができるだろう。
となるとゲームの勘所は「いつ衰退するか」「どの種族を選ぶか」これにつきる。


陣取りに見せかけて、さっき詳しい内容は省略と言ってしまった「種族選択」が大事! という何とも不思議なゲームなのである。


筋金入りのゲーマーには物足りないかも知れない。
わたしも純粋に陣取りを楽しみたいなら「レーベンヘルツ」を推す。
しかし、この陣取りゲームもどきは、実にお手軽に遊ぶことができる。
始終どの種族が強いかについて(そしてドワーフがいかに弱いか)の議論で盛り上がれるのも良い。
そうして楽しい時間が終わったら、「どのような味わいであったか」と問いたくなる、何とも不思議なゲームである。
よい。


<メモ>

  • 最初に説明するのは基本的なルールだけに留めておくこと。個々の種族、能力についての説明は後回し。
  • 衰退は「(基本的に)一つまで」ということは忘れずに説明。二つ目の衰退で一つ目の衰退種族は盤上からなくなる。
  • 能力は「(基本的に)衰退すると使えなくなる」ことは忘れずに説明しておく。ドワーフやグールは特殊なケース。
  • ベストなプレイ人数はおそらく四人。