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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

ミスボド行ってきました(2014年10月4日開催)〜駿河の仕立て屋編

ボードゲーム「第30回ミスボド」に参加してきました。
少し遅くなりましたが、以下、遊んだゲームの一部を紹介(長文注意)。


・5本のきゅうり

はじめにシダマさんのインストにより『5本のきゅうり』をプレイ。
プレイヤーは1〜15までの数字が書かれたカードをランダムに7枚受取り、1ラウンドに1枚、スタートプレイヤーから時計回りにプレイしていきます。
プレイできるカードには条件があって、

  1. そのラウンドに出ている最も数字の大きいカードと同値以上のカード
  2. 自分の手札の中で最も数字の小さいカード

のどちらかを出さなくてはいけません。全員が一枚ずつ出し切ったら、ラウンド終了。
最も数字の大きいカードを出したプレイヤー(複数いるなら後で出したプレイヤー)が次のリード(スタートプレイヤー)になります。

こうやってどんどん手札が減っていき、最後の1枚も同じように出していき……最後のラウンドで最も数字の大きいカードを出したプレイヤーが敗者となります!

つまりは6ラウンド目までに大きな数字のカードを処理するゲームなのですが、これがなかなかうまくいかない。上記の1.ができない場合は、2.に書いてあるとおり手札の中で最も数字の小さいカードを出さなければならず、しかも一旦出せなくなると連続して出せなくなることも多いため、じわじわと小さいカードが削り取られていきます。

どこでリードプレイヤーを取るか、自分がリードプレイヤーを取ったときにどのカードを処理するかが重要なのですが、基本的には勢いにまかせて「そおい!」とプレイしていく感じ。これは愉快なゲームですね。カードにかかれたきゅうりの絵と、負けた際に受け取るきゅうりトークンのうざさもマル。シダマさん、インストありがとうございました。


ロココの仕立て屋

『5本のきゅうり』に続いて『インフェルノ』で遊んでいたところ、まちこさんが『ロココの仕立て屋』で遊ぼうと誘ってくれたので、そちらに移動。メンバーはまちこさん、わたし、Tetsuo、ちゃひろさん、あかまどうしさんの五人。インストしてくれたのはなんとnekonさん(@アークライト)。ありがたやありがたや。

プレイヤーは中世ヨーロッパの仕立て屋となって、舞踏会に出席する貴族たちの衣装を作っていきます。

ゲームは7ラウンドからなり、各ラウンドでプレイヤーは順番に職人カードをプレイし、何かしらのアクションを実行していきます。職人をボード上に置くわけではありませんが、この辺りはちょっとワーカープレースメントっぽいです。
職人は身分に応じてできるアクションに差がある他、基本のアクションを実行した後に職人固有のアクションを実行することができます。そして、一度使われた職人は、捨て札置き場に置かれ、山札がリセットされるまで再使用できません。この辺りはちょっとデッキビルドっぽい。

仕入れのアクションで布や糸などの素材を購入し、服を仕立てるアクションで素材を勝利点なりお金なりに変換するというのが基本的な流れですが、他にも後々の行動を強化するためのアクションが色々と用意されています。中でもこのゲームの特徴と言えるのが、職人を新規に雇用するアクション(通称:リクルート)と、手札から既存の職人を除去するアクション(通称:リストラ)でしょう。

固有のアクションは後半にスカウトできる職人ほど強力という傾向なので、基本的に雇用すればするだけ良いのですが、あまり多くを雇用し過ぎると手札の“まわり”が悪くなります。どのタイミングで職人を増やすか。能力が微妙な職人をどうするか。悩みはつきません。

勝利点についても前述の服を仕立てるアクションに加えて、舞踏会上内の陣取り、セットコレクションのボーナス、職人の特殊ボーナスなど様々な獲得手段があり、これぞマティアス・クラマー! という感じの詰め込みぶりです。絶対90分じゃ終わらないよねこれ。

そんなわけで初回はなんとも見通しが悪いゲームなのですが、とりあえずデッキと資金繰りを改善した方が中盤から終盤にかけて有利に立ち回れそうかなと思い、序盤は仕立てよりも職人の雇用と噴水の確保を目指す方針。
特に「ランダムに素材を獲得できる」特殊アクションを持つ見習いを雇用できたことで、素材の取り合いに巻き込まれることなく、効率よく仕立てをする体制を整えることができた辺りまでは思惑通り。

しかし、中盤になるとランダム性に頼った資源獲得ではなかなか貴族たちの要望に応えることができず、仕立ての数が伸び悩みます。悩んだわたしは「4金を1勝利点に変換」という特殊アクションを持つ見習いを雇用。禁断の大量リストラ作戦を決行し、一挙40金を獲得し、見習いの能力で10勝利点を得ます。もちろん人事部長に抜擢された見習い自身もリストラの対象です(特殊能力の実行は基本アクションの後なので、こういうこともできる)。これには各方面からブーイング。「あの仕立て屋ギルドだけには勝たせてはならない!」という空気が醸成されることに(笑)。

それで、というわけではないのですが、最後の最後にちゃひろさんに花火の最多賞を奪還されるなどで4位どまり。インガオホー。花火以外でも数多くのフロアで衣装の最多賞をとったちゃひろさんでした。やはり地道に衣装を仕立てるのが勝利への早道なのでしょうかねえ。



噂にたがわぬ重ゲーで、三時間以上もかかりましたが、面白かった!
何より「貴族のために衣装を仕立てるゲーム」というテーマが良いですね。

見通しの悪さ、ごちゃごちゃしたメカニクスなど、決して万人受けする内容ではないような気もしますが、これは繰り返し遊びたい。
多分、遊べば遊ぶほど面白くなりそうな気がします。ミスボド衣装部の設立が待たれるところですね。


プロスペリティ

建物や発電所、インフラ等のシンボルが書かれたタイルを個人ボードに配置していくシムシティー風のゲーム(プレイヤーの立場は市長ではなく国家元首だけど)。

この手のゲームとしてはルールはシンプルで、手番が来たらまずタイルを1枚引き、プレイヤー全員に共通する決算イベントを解決する。引いたタイルはメインボードの脇に置き、購入候補に追加する。それから、タイルの購入等のアクションを2つ実行し、手番終了。以下、繰り返し。

シムシティー風と書いたけれど、拡大再生産という感じではなく、電力を供給すれば環境が汚染され、研究施設を建てれば環境汚染に加えて電力消費も増え、環境を良くすれば電力が足りなくなると、あちらを立てればこちらが立たず、繊細なかじ取りが必要になる。一方で、次の自分の手番までにどのイベントが起こり、どのイベントが起こらないかはある程度予測できるため、次の手番まで環境の決算が起きないと見越してあえて環境負荷の高い建物を建てるなど、大胆なプレイもありと言えばあり。



その結果がこれだよ!(写真の黒いディスクが汚染状況を表す)

環境汚染が極まると、繁栄点の決算時に繁栄点が得られないため、大きく出遅れてしまう。
とは言え研究レベルが低い序盤からクリーンな国家を目指すのはかなり苦しいわけで。

今を時めくブリーズデールと、巨匠クニツィアの合作でありながら、さっぱり話題になっていませんが、完成度の高いゲームだと思います。
まぁ、その、すげー地味ですど。


その他、アウグストゥス、ゼロ、パン屋の1ダースで遊びました。
主催者さま、遊んでくれたみなさま、参加されたみなさま、どうもありがとうございました。
また次回以降のミスボドでお会いしましょう。よろしくお願いします。