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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

ミスボド行ってきました(2013年8月17日開催)〜駿河のエセ紳士ニューイングランドに行く編

 
ボードゲーム「ミスボド」〜十七人目の死神に参加してきました。
以下、遊んだゲームの一部を紹介(長文注意)。


 
ニューイングランド

渋滞に巻き込まれたため30分遅れで会場に到着すると、にったのひとさんが「遊びましょー」と声をかけてきてくれました。
そう言えば、ここのところ遊んでませんでしたね。ではではと、最近入手したばかりのニューイングランドで遊ぶことに。
Tetsuoもやると言うのであと一人誰かやりませんかーと声かけしたところ、遊星からのフリーキックのてらしまさんが手を挙げてくださる。てらしまさんのゲームレビューを愛読しているわたし、ちょっと緊張。


(画像はボードゲームギークより引用)

ニューイングランドは17世紀アメリカを舞台にした開拓ゲームです。
プレイヤーはピルグリムブラザーズのひとりとしてアメリ東海岸に入植をしていきます(本当はもっと南に入植するつもりだったこと、ワンパノアグ族には内緒だよ)。



具体的には毎ラウンド以下の手順を繰り返して、自分の土地と発展カードを増やしていきます。

(1)掲示フェーズ(掲示の配置)
 スタートプレイヤーがこのラウンドで買えるものを市場に並べる
(2)値付けフェーズ(値付けマーカーを取る)
 スタートプレイヤーから順番に購入金額を決める
(3)購入フェーズ(市場からタイルや発展カードを購入し、効果を解決する)
 値付けマーカーの数字が大きい順に市場からものを購入して解決する

このゲームの特徴として、値付けフェーズで高値を付けたプレイヤーから順番に購入フェーズを行うというルールがあります。どうしても欲しいものがあれば高い値段をつけて1番手になる必要があるのです(4番手になるとほとんど選択肢がなくなってしまいます)。どこでしゃがんで、どこで勝負に出るかの見極めが重要なゲームなのではないでしょうか

また、土地タイルを買ってボード上に配置するだけでは得点にならない点もユニークです。『開発』の発展カードを使ってタイルを裏返すことで初めて点数になるのです。自分の土地を拡大して他人を圧迫するか、今ある土地をひっくり返して点数化を優先するか。この辺りもなかなか悩ましいです。

ともあれプレイ開始。
最初のうちは一同、おっかなびっくり値付けをしていきます。

てらしまさん「とりあえず5金で」
Tetsuo「1金で」
にったのひとさん「2金で」
わたし「ぐえー、3金で」

……相場がはっきりしない状況では、スタートプレイヤーが、安値競争になった時はラストプレイヤーが苦しいゲームのようです。

序盤の人気商品は『清教徒』の発展カード。清教徒おっさんがいると、おっさん効果で毎ラウンドの収入が1人につき1金増えるので大変嬉しいです。おっさんたちがどうやって収入を得ているかについてはあまり考えないでおきましょう(そう言えばこのゲームには先住民が一切出てきませんね。不思議)。もちろん土地タイルも大人気です。その割に市場への供給が少ないので、なかなか自分の土地が増えない。えーと、うーんと……くるしい!

こういう時についつい高めの値付けをしてしまうのがわたし。
早い段階で『開発』の発展カードを入手し、勝利点を伸ばすものの清教徒にふさわしき清貧ぶりでどんどん貧しくなっていきます。ひーん。

一方、この手のゲームで値付けをケチるのがTetsuo。序盤はほとんどタイルを増やせないままお金だけは貯まっていく。しかし、売れ残った『船』の発展カードを買ったことにより状況が激変。

船の特殊効果は購入フェーズで追加のタイルか発展カードを引くことができるというもの。つまり……

「1で」「また1か!」……「船の効果でタイルを1枚引きます! 買います」
安い値付けでもタイルが確実に買い付けられる船効果で、Testuoは蓄財しながら勢力を拡大していきます。
それにしても20金て!

「船強いですね」「確かに」

とは言え船の効果は保有数が最多のプレイヤーのみ使用できる(※)ため、わたしとてらしまさんは船競争に参戦せず。にったのひとさんだけが追撃し、数ラウンド後に船王になりました。

※今回は単独トップの人のみ船の効果を使えるというルールでやっていましたが、トップの人のみ船の効果を使える(単独でなくともよい)というのが正しいルールのようです

段々に慣れてくると、ライバルの所持金をチェックして、いやらしい値付けをするようになります。毎ラウンド2つまで商品を買えるため、ギリギリ2枚買える値付けマーカーを取られると無茶苦茶悩むんですよ。

例えばわたしが5金しか持っていない時に、

「3金を取ります」

とやられると、しゃがむかどうするかでうんうん唸ることになる。うんうん。

「フルパワー!」(5金を取る)
「ちょwwww」

まぁこういうことばっかやってるからお金がたまらないのですよね……

そうこうしているうちにゲーム終盤。メリハリのある値付けと倉庫の活用で点数を伸ばしたてらしまさんがトップで、中盤以降に領土を延ばしたTetsuoと清教徒&船でトップ賞をとっているにったのひとさんがそれを追うという展開。金欠のため思うように領土を拡張できなかったわたしはやや苦しい状況。しかし最後まで勝負を諦めないのがピューリタンの務め!

「フルパワー!」(10を取る)

倉庫の発展カードを取って、てらしまさんからトップ賞を奪い取る!
それがわたしのジャスティス!

にったのひとさん「でもmikioさん、倉庫おけなくないですか?」
わたし「あ」(倉庫を置くのに必要な未開発地がないことに気付く)

そうして、今となっては何の価値もないタイルを10金払ってゲットするわたしをよそに、てらしまさん、ゆうゆう倉庫をゲット。

優勝はてらしまさんです!



・レディース&ジェントルメン

「売っちゃったの。だから、―― 売っちゃったからなくなったのよ。ねえ、クリスマスイブでしょ。優しくして。髪がなくなったのは、あなたのためなのよ。たぶん、わたしの髪の毛の一本一本まで神様には数えられているでしょうね」(O・ヘンリー『賢者の贈り物』より)

「ねえデラ。僕達のクリスマスプレゼントは、しばらくの間、どこかにしまっておくことにしようよ。いますぐ使うには上等すぎるよ。櫛を買うお金を作るために、僕は時計を売っちゃったのさ。さあ、チョップを火にかけてくれよ」(同上)

 
ここのところミスボドで毎回卓が立っているレディース&ジェントルメン。
男女でペアを組んで遊ぶ、珍しいタイプのゲームです。
駿河の国きっての紳士として知られるわたしもついに参加する運びとなりました。



今回はそらい館長さんの司会進行のもと、男女4人ずつ、4組のペアで勝敗を競うことに。

それぞれのペアは一週間後の舞踏会に向けて、淑女の衣装を準備します。
淑女はお店で服や装飾品を買い漁り、紳士はそれを買うための資金を稼ぐのです。
もっとも素晴らしい装いで身を固め、淑女の中の淑女となるのは一体誰なのでしょう?!

まあ何というか大体おわかりだと思いますが、男性がなんだかとってもしんどいゲームです。

キャッキャウフフしながら「どのお店で買い物しようかしらー」と悩む淑女をよそに、男性陣は先物取引(?)でお金を稼ぎます。要はリアルタイムで行うタイルめくりなのですが、取引の順序を決めるタイルも含めてめくり合うため、高く売れる商材セットを作っても、優先順位が低いと他プレイヤーに先を越されてしまって美味しさ半減ということがままあります。



わたしは反射神経にあまり自信がなかったので、一番人気になりそうな商材セットをあえて外し、二番人気、三番人気のセットを狙うことで堅実にお金を稼いでいく方針で挑むことに。これがなかなか上手くいったようで、初日から900ポンドの収入をゲット。まぁまぁ稼げたんじゃないかなと自画自賛しつつ帰宅すると、そこには1300ポンドのドレスの他きらびやかな装飾品を持ってにっこりと微笑む淑女が……!

(たっけえ!)

初期資金として500ポンドがあるため買えなくはないけど……こんなに高いの? と驚き、思わず隣に座っていたシャロペロ王子と顔を見合わせるわたし。

「こんなに……高いんですね」
「女性の衣装の値段はよくわかりませんねぇ」

なんか生々しいんですけど!

しかし紳士たるものお金がないとは言えない。

パートナーの水穏さん「全部、買って★」
わたし「好きなものを買って良いよ★」
水穏さん「嬉しい★」
わたし「ただし、ひとつだけね★」

にこやかにギスギスする夫婦生活!

さて、紳士たちが証券取引所先物取引に行ってる間、淑女が何をしているかというと、まず始めにゴヒイキ店舗に売り物をセットします(一番上だけ表向きにセット)。準備が整ったら、どのお店で買うかを決めて一斉に公開! この時、他の淑女とお店がバッティングしていると買える物が減ってしまいます。また、自分のゴヒイキ店舗で買い物をする人が(自分を含めて)いない場合、表になっている売り物を半額で買うことができます。

こう書くと最初にゴヒイキ店を選ぶメリットが少ないようにも思えますが、ゴヒイキ店の売り物は裏向きのものも含めて全部わかっているため、欲しい物を確実にゲットするなら、他人にとって魅力に乏しい商品を表に出し、自分のゴヒイキ店を選ぶというのも一つの作戦です。

うちの水穏さんがこの作戦を採用。運要素が少なく、堅実に勝利点を稼ぐという長所があるのですがバーゲン品を買うことができないという短所もあります。これにわたしの堅実にお金を稼いでいく作戦が組み合わさるとどうなるか!

水穏さん「なんか、お金が厳しいんですけど」
わたし「この業界では結構稼いでいる方なんですけど!」

ギスギスする夫婦生活! 堅実紳士と堅実淑女はひょっとして相性悪いのだろうか!

もちろんバッティング覚悟で他人のゴヒイキ店に買い物に行くのも一つの作戦。不確実な要素は増えますが、うまくいけばゴヒイキ店から定価の半額で買える。このメリットがとてつもなくでかい! 隣家のシャロペロ王子&Tetsuoペアがこの作戦を採用した模様。

Tetsuo「じゃあこっちのお買い得品も買って良いですかー?」
シャペロ王子「いいよー。得したねー」

なんか円満だ!

そんなこんなでゲーム終了。得点計算で一度はシャロペロ王子・Tetusoペアが優勝かと思われたのですが、首飾りを二つ持っていることがわかりその分、減点。棚ぼた的にわたし・水穏ペアが優勝しました!



わたし・水穏ペア


シャロペロ王子・Tetusoペア


わたしも水穏さんも明確な指針を持ってプレイしそれが実を結んだということだと思うのですが、お互いの指針については話し合わなかったため、前述の通り衝突することもしばしば。O・ヘンリーの『賢者の贈り物』は、夫婦が最善の選択肢をそれぞれ別々に模索した結果、わりと取り返しのつかないことになったエピソードとして有名ですが、レディース&ジェントルメンにおいてもコミュニケーションは大事だということですね(しろめ)。

なお、このゲームは首飾り以外もカードのデザインが結構紛らわしいらしく、歴戦のまちこさんもゲーム中盤までコートをドレスと見間違えていたそうです。他の装飾品はなくても良いのですが、ドレスだけは持ってないとペナルティを受けるため、終盤はコートの下に着るドレスを買い付けるために奔走しなければならなかったとか。コートの下に何も着てないというのでは変態と言う名の淑女になってしまうので、これから遊ばれる淑女の皆さんもどうかご注意を。

ともあれ噂に違わぬ、楽しくもしんどいゲームでした。また(ちょっと間を空けてから)遊びたいですね。
司会進行をしていただいたそらい館長さん、水穏さんほか、一緒に遊んでくれたみなさん、どうもありがとうございました。

その他、荒野の一ドルペンギン、エルフェンランド、コロレット、ウィーウィルロックユーで遊びましたがレポートは省略。
また、次回ミスボドでもよろしくお願いします。