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ボードゲーム会魔王の告知ブログです。

ミスボド行ってきました(2014年8月16日開催)〜駿河の二郎編/ダンジョンクエストレポートその4

 
ボードゲーム「第28回ミスボド」に参加してきました。
以下は、遊んだゲームの一つ・『ダンジョンクエスト』のリプレイのようなものです(長文注意)。



 
序章

ボードゲームはいやま日本の文化。有名オープンゲーム会には行列が生まれ、全国津々浦々にご当地ボードゲーム会がある。ボードゲームを題材にした漫画も人気だ。しかし、そんななかでもネット上で異様な盛り上がりを見せているボードゲームと言えば「ダンジョンクエスト」である。ファンサイトも数多く存在し、2ちゃんねるでは版ごとにスレッドが乱立してる。「ダンジョンクエスト」を愛する者は「魔王」と呼ばれ、なかにはダンジョンクエストの卓を立てるためにボードゲームのオープン会を開催しようと試みる奇特な人間もいるらしいので興味のある方におかれましては是非一度当サイトの管理者にお声かけください。以上よろしくお願いします。

ご存じのない方に説明すると「ダンジョンクエスト」とはファンタジーフライト社(日本語版:アークライト社)から発売されたダンジョン探索型ボードゲームコンポーネントはかなりのボリュームがあり、ボード上には大量のタイルやイベントカードがのせられる。
特徴的なのは、プレイヤー扮する冒険者の自己判断にゆだねられてる部分が極めて少ない点である。タイルを引いて運が悪ければ死に、イベントカードを引いて運が悪ければ死に、サイコロを振って運が悪ければ死ぬ。もはや謎のおみくじのようである。

しかし、オープン会等では毎回すぐに遊びたい人が集まるとはいえ「ダンジョンクエスト」はいわゆるボードゲームランキングなどで1位に選ばれているゲームではない。それなのになぜこれほどまでにネット上には「ダンジョンクエスト」の情報が氾濫しているのだろうか。

その謎に迫っているのが、ボードゲームから日本の現代史を解き明かした新書『ボードゲームと愛国』(民名書房刊)だ。本書によれば、冒険者は「一般のボードゲームプレイヤーとはちょっと性質の違う嗜好を持った人々である」という。有名デザイナーのゲームを遊び歩いたり、隠れ名作を発掘するなど、一般的なボードゲームマニアは“情報量に価値を見出す”存在。しかし、冒険者はダンジョンにしか興味がない。冒険者に言わせれば「ダンジョンクエストはボードゲームにあらず。ダンジョンクエストという運試しなり」。ダンジョンクエストとは「ボードゲームというよりは、信仰の対象のような存在」なのだそうだ。

(参考:「ラーメン二郎」は宗教!? ネットで人気を集める秘密


第一章〜続続続続ダンジョンマスター

話は何か月か前に遡る!

例によって例のごとく地元の友人が、わたしのレポートを見て「ダンジョンクエスト」をやってみたいと言い出したのだ。
魔王としては竜王のダンジョンのクソさおそろしさをレポートしているつもりなので甚だ不本意ではあったが、無論地元オペレーション・ダンジョンクエストを発動することに何らためらいもない。折しもボードゲーム「魔王」のプレ会開催を決定したばかりであった。

が、魔王にはその前に一つ解決すべき問題があった。
肝心のダンジョンクエストが手元にないのだ。

「あらいさん、そんなわけで今度ミスボドに持ってきてもらっていいっすかー」

そんなわけで長いこと預かってもらっていたあらいさんからダンジョンクエストを返してもらいがてら、またも蒲田の地に竜王のダンジョンが爆誕する運びとなった!

それにしても、である。

事前募集カラ二十四時間ヲ待タズニ枠ガ埋マッテルノドウイウコトナノ

世の中にはもっと良いゲームがあるはずなのに!
そもそもダンジョンクエストはゲームじゃない!(錯乱)

ともあれ八月十六日、一時半。
久々に触るコンポーネントの感触を楽しんでいるわたしの前に、四人の勇者が現れた。

勇者鈴太
またの名を、ブラザー・ゲーリン!
これまでのレポートを読み、恐れおののくどころかむしろ積極的に挑戦したいと思った命知らずの男である。

勇者しんぺー
またの名を、レンジャー・リンデル!
長らく竜王のダンジョンに挑戦することを望んでいた男が、ここに来てついにの参戦である。

勇者あかまどうし
またの名を、魔導師・シャララ!
ファイナルなファンタジー世界から強力な器用貧乏文武両道キャラが参戦! なお、中の人は思慮深そうなおにいさんでした。

勇者Nekonome3
またの名を、ヒューゴー・ザ・グローリアス!
ディセント会という謀略級三国志を遊ぶグループのダイスロール強者が、満を持しての登場である! ダンジョンクエストは謀略級三国志と違って、ダイス目は小さい方が嬉しいのだが、果たして生き残ることができるのか?!


第二章〜すけるとんくるー

ダンジョンへの扉は開かれた
まずは勇者鈴太が記念すべき第一ターン。
ふむ、なかなか良いタイル引き。
これは幸先よさそうだと思った矢先――いきなりスケルトンがあらわれた!

敏捷値が低いためスケルトンに対しては分の悪い勇者鈴太はすぐさま逃亡を決断。
からくも逃げ出したが、いきなりダンジョンへの入り口の片方が塞がる事態に。
さらに次のターンでもう片方の入り口も袋小路であると判明し、まさに八方ふさがりの状況に陥ってしまう。幸いにも探索によってカタコンベへの入り口が見つかったため事なきを得たが、相変わらず初見プレイヤーにも経験者にもGMにも平等に容赦のないゲームである。

一方その他の勇者は……

勇者しんぺー「落とし戸にはまりました」
魔王「次の手番から、判定に成功しないと動けません」
勇者あかまどうし「松明が消えましたです」
魔王「次の手番から、判定に成功しないと動けません」

ですよねー。

そんな中唯一、勇者Nekonome3だけが順調に竜王の寝所へと歩を進めていたのだが――

まほうつかいがあらわれた!

筋力値とアーマー値が高い上に、簡易ルールでは戦闘時のダイス振り直しができる勇者Nekonome3は基本的にモンスターとの戦いで苦労しないのだが、唯一天敵と言える存在がある。それが魔法使いだ。

勇者鈴太と同様に逃亡を決断した勇者Nekonome3だが逃亡に失敗し、強制戦闘に移行することに!

それはかつて偉大な賢者として王からも厚く信任されていた男の成れの果ての姿であった。竜王のダンジョンの邪気に汚染されたのではない。最愛の妻を失い、古文書に記された死者復活の儀式を再生しようと、自ら望んで狂気の世界へと足を踏み入れたのだ。彼にとって生者とは最早邪神に捧げる供物に過ぎないのである……!*1

勇者Nekonome3は老練な魔法使いに大いに翻弄され、ほとんど瀕死状態にまで追い込まれてしまう。一寸先は闇。それがダンジョンの掟である。


第三章〜隣り合わせの灰と焼身

勇者たちがダンジョンに潜って数時間。
魔王はむずむずしていた。

前述のとおり、八方ふさがりの状態から下り階段を見つけ、カタコンベに潜った勇者鈴太。
勇者鈴太に少し遅れて、八方ふさがりの状態になった勇者あかまどうし。
魔術師との戦いで瀕死になりながらも、下り階段を見つけてカタコンベへと潜った勇者Nekonome3。

ここでおさらいしておくと、ダンジョンクエストはタイルを引いてマッピングしていくゲームです。
良いですか、ダンジョンクエストはタイルを引いてマッピングしていくゲームなのです。



勇者しんぺー(写真右下)以外、ほとんどタイルを引いてないじゃないですかーやだー!

さて、その勇者しんぺーであるが、序盤こそ落とし戸にはまってたりもしたのだが、その後はかなり順調にダンジョンを踏破し、あれよあれよと言う間に竜王の寝所に到達。次々と高価な財宝を入手する。

そこにカタコンベを脱し、大幅なショートカットに成功した勇者Nekonome3もやって来て、竜王の寝所に二人の勇者が存在する事態に!

ここでダンジョンの掟について補足しておくと、竜王の部屋に入る(留まる)時はカードで竜王が目覚めるかどうかを判定しなければならない。何枚かのカードの中で、竜王が目覚めるカード(ハズレ)はたった一枚しか入っていないのだが、誰かが竜王の部屋に留まり続ける限り判定カードの山はリセットされない。つまり、長く竜王の部屋に留まれば留まるほどハズレを引きやすくなっていくのだ。もちろん人数が多ければそれだけ判定カードの減りは激しくなるし、どちらか一方でもハズレを引けば――

二人の勇者が絶叫とともに消し炭となった!


第四章〜ダンジョンオブランダム

後に残されたのは未だ八方ふさがりの部屋から脱出することのできない勇者あかまどうしと、カタコンベを脱したと思ったらまた穴に落ちて二回目のカタコンベ入りを果たした勇者鈴太である。

特に勇者鈴太はかなりダメージを負っていたので、このままカタコンベ内で死を待つばかりと思われたのだが……

ここでまさかの超レアアイテムの巨大なダイヤモンドを引く!

これに対し勇者あかまどうしは勇者鈴太が入り口まで戻れないと踏んだのだろう。時間ギリギリまで袋小路内で移動を繰り返し、探索と死体漁りで略奪品を入手する作戦に! まさかの盗賊にジョブチェンジである。

勝利の女神は勇者鈴太に微笑むのか、勇者盗賊に微笑むのか――

有利なのはダンジョンカードの引きなおし能力を有する勇者盗賊である。
いまだカタコンベの中にいて、体力にも余裕のない勇者鈴太が脱出できる可能性は低い。

が!

爆風に巻き込まれ、

かろうじて振り子の罠を避けながら、

どうにかカタコンベを脱出すると「進行方向のずれ」を利用してダンジョンの入り口付近に出現し、無事帰還したのであった!
合計スコアは5010点。
そのすぐ後に勇者盗賊も帰還。
合計スコアは90点。
今回は二人もダンジョンから生還者が出るという珍しい結果となった。


終章

そんなこんで今回も不本意ながら大いに盛り上がったオペレーション・ダンジョンクエストであったが、ひとつ魔王の心を悩ます問題があった。ダンジョンクエスト・クラッシックの存在である。ルールの簡略化等の工夫がされているものの見たところコンポーネントに大きな変化はないようなのだが……

「mikioさん、ダンジョンクエスト・クラッシックはどうします」
「あ、ええと」
「予約したんですよね?」
「いやその」
「あ、愚問でしたね。すいません」

なんか大体こういう会話を複数人としたんですけど!!

魔王はダンジョンクエスト・クラッシックを買ってしまうのか?
ミスボドに赤箱と青箱の両方を揃えてドヤァと微笑むのか?

次回レポートに続く!(続かない)

<了>

一緒に遊んでくださったみなさん、どうもありがとうございました!

*1:そんな設定はありません